お父さんと呼ばれたい
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【5日】世界一の美人
戻る 妻の母親がやって来た。 こんな時には最も頼りになる助っ人だ。 家に着くなり、「みーみ」と叫びながら抱きついた。 妻が「私に似て美人よ」と自慢する。 そうだ、みーみはお前に似て美人だ ...
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【4日】あなたのお父さんですよ
戻る 自宅での最初の夜は平穏に過ぎた。 みーみはほとんど寝ているので意外と手がかからなかった。 妻が台所で食事の準備をしている間、私は子守り。 みーみが不思議そうに私を見つめる。「この人、だーれ」 私 ...
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【3日】あれも足りない、これも足りない
戻る 退院することになった。 タクシーを呼んで家に帰った。 先ずはみーみの居場所を作り、ミルクを飲ませて一息ついた。 さて、買い出しに行かないと。 育児に必要なものは当然買ってあったのだが、2日間病院 ...
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【2日】ごめんなさい、寝ます
戻る 病院のスタッフが時々やってきてアドバイスをしてくれた。 ありがたい。 でも、みーみを引き取ってくれる様子はない。 今夜は泊まりのようだ。 午後11時。 みーみはいくら見ていても飽きないが、さすが ...
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【2日】リンゴを食べたい
戻る 妻が「リンゴを食べたい」といい出した。 名誉挽回のチャンスだ。 早速買いに行った。 既に時間が遅く、病院の売店は閉まっていた。 近くのコンビニには売っていなかった。 タクシーに乗ってスーパーまで ...
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【2日】育児教室
戻る 育児室に呼ばれた。育児教室だった。 ミルクのあげ方、おむつの替え方、沐浴の仕方、など必要最低限の育児について教わった。 妻は病院スタッフの支持に従って実演する。 私は見るだけだったが、他人事では ...
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【1日】初めての授乳、止まらないしゃっくり
戻る 妻がおっぱいを吸わせようとする。 うまくいかない。 妻もまだ母乳がでないし、みーみもまだ慣れていないようだ。 妻から哺乳瓶を渡された。緊張。 哺乳瓶を口に含むと、飲み始めた。 みーみは、生きよう ...
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【1日】切ない
戻る 目は2つある。口もあるし、鼻と耳もある。 間違いなく人間だ。 小さくて、か細いけれども、間違いなく人間だ。 体を包んだ布の微かな動きから呼吸していることがわかる。 手を離せば直ぐに死んでしまうよ ...
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【1日】母の顔
戻る 昼食が終わると、みーみが病室にやって来た。 昨日はガラス越しの対面だったが、ついに直接の対面となった。 妻も出産直後に対面してはいるが、帝王切開の直後で意識はもうろうとしていたはずだ。 妻は母の ...
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【1日】病室に泊まれ
戻る 「今日は何時に来るの。先生が泊まっていいと言っている。」 翌日、家を出ようとすると、妻から電話がかかってきた。 病室に泊まれということだろう。 着替えを持って病院に向かった。 点滴はまだ続いてい ...