少し前まではみーみが歩くたびに、「歩いた、歩いた」と大騒ぎしていたのに、今では普通の景色になってしまった。
むしろ家の中を一日中歩きまわるので、危なくて目が離せない。
みーみは階段が好きだ。
私が二階に上ろうとすると、後を追って階段を上ってくる。
「危ないから降りなさい」と言っても降りようとしない。まだ言葉がわからないからしょうがないのだが。
妻もやってきて「危ないから降りなさい」と言い始めた。
父が上から「降りろ」と言い、母が下から「降りろ」と言い続けた。
みーみは、階段を何度も上ったり降りたりを繰り返した挙げ句に泣き出してしまった。
まだ言葉のわからないみーみは、父の方に行けばよいのか、母の方に行けばよいのかわからなくなって混乱したのだろう。
いわゆる「ダブルバインド」の状態になったのだろう。
みーみ、混乱させてごめんなさい。
最後は妻がやさしく抱き上げたら落ち着いたようだ。