命をつなぐ

【7月】分速5センチメートル

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ハイハイはまだできないが、前に進もうと試行錯誤を繰り返している。

以前は空中で手足をバタバタさせるだけだったが、腰を持ち上げたり、倒れ込んだりと、全身を使って前に進もうとしている。

倒れ込んだ時に、頭を床に打ち付けることがある。マットが敷いてあるのでさほど痛くはないはずだが、それでも泣き始める。

泣いても前に進もうという努力はやめない。

「前に進みたい」という強い意志と努力に対しては感動さえ覚える。

この強い意志は人間のDNAに刷り込まれたものなのだろうか。

気がつくと移動しているようだ。

少しだけ前に進んでいる。

その進みは限りなく遅い。分速1センチ程度であろうか。

ずっと見ていてもわからない。

でも、しばらく視線を外していると明らかに前とは違う場所にいる。

1週間もすると、見ていても前に進んでいるのが分かるようになった。

分速5センチ程度だろうか。

腰を持ち上げては、前に倒れ込み、泣いて手足をジタバタさせる。

悲鳴をあげながら、それでも前に進み続ける。

感動を禁じえない。

生命の意志を感じる。

がんばれみーみ。

進む

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